『今回予告』
うー、今回は真里亞が主役なの!!
影に隠れてるキャラだとか、ノーコンとか、そんなの言わせないんだから!!
あれ?遊園地にいるみんなの様子がなんだか変・・・
なんだか操られてるみたい。
次回、六軒島戦隊、うみねこセブン
真里亞の試練?一人だって十分戦士だもん!
この戦い、絶対負けられない!

【オープニング】

黄金の玉座のある薄暗い空間。
そこに集まる七人の影
その中央に位置するのは長女であるルシファー、だが彼女は今残りの六人に囲まれていた。

「前回はベアトリーチェ様にお慈悲をもらったからと言って調子に乗っているんじゃなァい?」
「馬鹿馬鹿しい、私はベアトリーチェ様の命令に忠実に従っただけだ」
「そうかしらぁ?ベアトリーチェ様のご命令も大事だけれど、得体の知れない奴らを取り逃がすだなんてどうかしちゃってるわ」

くすくすと笑う六対の影

「う、煩い、だったらお前達も何か考えてみろ!!」

ルシファーは精一杯の強がりで声を荒げた、だがその白い頬がピンク色に染まるのだけは隠し切れなかった。
その時、暗闇から黄金の蝶が舞い降りてくる
七人はそれを見るや否や整列をした。

「クククッ、そう畏まらなくてもよい。」

蝶ではなくそこにいたのは黄金の魔女、ベアトリーチェ

「そなたらの話を少し聞いた。
たしかにルシファーには痛手だったかもしれぬ、しかし。
前回も言った通り、我がファントムにとって恐れるには値せぬニンゲンだ。
それにこれは悲願に達するためのただの余興だ、存分に楽しもうではないか。」
「かしこまりました、ベアトリーチェ様」

ルシファーを含む七人が一礼をする。

「あのー、ベアトリーチェ様」

と、一人が手を上げた

「なんだ?申してみよ」
「ニンゲンは恐怖で支配するだけではモノ飽きるというものです
今度は趣向を凝らして、別の作戦を立ててもいいのではないでしょうか?」
「・・・・いいだろう、やり方はお前に任せる。
頼んだぞ、ベルゼブブ」

そういうと左右の髪を巻いている少女が前に出た。

「お任せください、ベアトリーチェ様」


「うー、ママ。遅い」

真里亞は遊園地のベンチに座っていた。
と言うのも珍しく、楼座が二人っきりで出かけようというのでこの遊園地に来ていたのだが、その楼座は一時間前に飲み物を買ってくると言ったまままだ帰ってきてはいなかった。
今日は休日のせいか普段よりも遊園地内にいる親子連れの人数が多い、その親子連れを見つめながら母を待つ真里亞は少し寂しそうに俯いたのだった

「大丈夫、寂しくないよ。ママが来てくれれば真里亞は一人じゃないんだもの」

自分に言い聞かせるようにつぶやく真里亞
と、その時!

「きゃああああ」

人々の叫び声が大きく響く
真里亞が駆けつけると、そこには赤い目の人々が同じ人を襲っていたのだ。

「な、なにが起こってるの?」
訳がわからず混乱する真里亞
すると、ブレスレットに通信が入る
それは金蔵からであった。

『真里亞、今どこにおる』
「うー、遊園地のミラーハウスの近く
なんだかみんなの様子が変なの」
『そうか、やはりな・・・
真里亞、それはファントムの仕業だ。
戦人達には連絡をいれたが、現状、一番現場に近いのはお前だけだ』
「やる、やれるよ。おじい様。真里亞だって戦士だもん」
『・・・くれぐれも無茶はしないようにな』
「うー、了解なの!」
そして通信が切れると真里亞は急いで更なる現場へと走っていった

【アイキャッチ】

ベルゼブブは観覧車の近くのベンチの上でくつろぎながらアイスを食べていた。

「んふふふ、ファントム特性のクレープを食べたニンゲンは幻想世界に引き込まれて人々を襲う
そして襲われたニンゲンはさらに仲間を・・・ルシ姉みたいなまどろっこしいことはしないわ、食欲こそ最大の欲のひとつ、私の恐ろしさをとくと味わうがいいわ!!」
「うー、待ちなさい!!」
「だ、誰!?」
「うー、皆を泣かせるなんて許さない!うみねこピンク参上!」
「うみねこピンクぅ?ああ、アンタ達が私達の邪魔をしているやつらね
私は黄金の魔女、ベアトリーチェ様に仕える煉獄の七姉妹が一人、暴食のベルゼブブ!
やっておしまいなさい、ドレイのニンゲン達!」

操られた人々が真里亞に襲い掛かる


「はぁはぁ、はぁ」

どうにか操られていた人々を気絶させることで事なきを得た真里亞だったが、それに体力を消耗してしまい、息切れを起こしていた

「そろそろフィニッシュよ、行きなさい、山羊達。蝋ケーキ人形にしてやるのよ」
「メェー」

山羊達が一斉に蝋でできたケーキを投げつけてくる
思わず目を閉じる真里亞

「幻想を消し去る光が唸りを上げる!突き抜けろ!「レッド・ガンナーズ・ブルーム!!」」

赤い閃光と共に真里亞へと向かっていたケーキ達は消滅する。

「だ、誰!?」
いきなりの襲撃に驚きを隠せないベルゼブブ

レッド「燃える闘志は不死鳥の如く!うみねこレッド!!」
イエロー「岩を穿つ雫(こころ)は龍の如く!うみねこイエロー!!」
グリーン「静かな決意は獅子の如く!うみねこグリーン!!」
「大丈夫かい?ピンク」
「うー、グリーン」
「私達が着たからには安心しな」
「イエロー・・・」
「仲間を一人に戦わせておくわけにはいかねぇしな!」
「レッド・・・みんな、ありがとう」
「よっしゃ行くぜ
「輝く未来を守るため! 『六軒島戦隊 うみねこセブン』参上!!」
「な、仲間が増えたって同じよ!いきなさい。
山羊のケーキ職人達!」
「メェー」

先ほどのケーキの恨みとでも言うようにか山羊達はさらに巨大な蝋ケーキを投げつける。




「水の精霊よ、我が声に応えて巡れ
【シー・オブ・アクア・マーメイド!!】」
「――!?」

濁流のように流れる水により山羊達は大混乱に陥る
もう少し人数がいれば防げたかもしれないという考えはなかったようでただ、逃げ回るだけであった

「コラー!しっかりしなさいよ!!」

上空にいるベルゼにはその大慌てな理由が理解できずに叫ぶがそれは山羊達には、もはや聞こえていない。

「うぐぐぅ、お、覚えてなさーい!!」

捨て台詞とも言え言葉を残し、山羊とベルゼは消えていった
元通りになる遊園地。

「ふぅ・・・」

変身を解いた真里亞は一息ついた

「真里亞―!!」

叫ぶ声に気が付いた真里亞はその人物の元へと走り出した

「おかえり、ママ。おかえり・・・」
「よかったわ、真里亞。さっき騒ぎがあったと聞いて驚いたのだけれど、無事でよかった」
「あのね、ママ」
「なぁに?真里亞」
「真里亞、ママと一緒にいられてとても嬉しいんだよ」
「ありがとう、真里亞。
ママも真里亞と一緒にいられて嬉しいわ」

親子二人で手をつないで遊園地を回って行くのであった

「めでたしめでたし、だな」

楼座が来る前に草陰に隠れた戦人達が頷く

「そりゃめでたいけどさ・・・戦人」
「どうした?朱志香」
「どさくさに紛れて触ってんじゃねー!!」

朱志香のメリケンサックが唸りを上げた

「こ、これは不可抵抗力だ、ぎゃーっ」


「あー、もう!悔しいったらありゃしないわ」

アジトへと戻っていたベルゼは不満で口を尖らせていた。

「なんであんなところで山羊が失敗するのかしら、わけわかんない」

すると一体の山羊がベルゼに何かを持ってくる

「あら、ありがとう。いつも助かるわねー、夕飯とか作ってくれるし」

先ほどの不機嫌さはどこへやら、ベルゼはルンルン気分で夕飯にありついた
しかし、一度だけぴたりと食べるのを止める。

「でも、見てなさいよ、うみねこピンク、私は負けた気なんかしないんだから・・・
あ、デザート追加ねー」

その様子にやれやれと給仕をしている山羊はため息をついた、その背中のファスナーが少し開いていることも知らずに。

【エンディング】


《This story continues--Chapter 3.》

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