番外編SS「あの人が見ていたクリスマス」
(微妙にmyオリキャラがいます、後に誰かは分かるかも)
まったく、せっかく未来世界からこっちに来たって言うのに・・・
夜、だいたい6時くらいだろうか。
今日はクリスマスなのに、雪が降らない。
ファントムの仕業じゃ・・・とは思ったものの、さすがにそれはないだろう。
クリスマスということもあり、今日は遊園地は延長営業。
雪が降らないせいか、それほど並んでいなかった。
「天草さーん、今手空いてる?」
今は九羽鳥庵でバイトをしている、天草の苗字を借りたうえで。
お金に困ってるわけじゃないが、とにかく何か予定で埋めていたかった。
「あ、はい、空いてます」
「それじゃ、鈴木さんのとこ手伝ってもらえる?」
「はい、分かりました」
鈴木・・・あまり聞かない名前。新人バイトだろうか。
どうやら窓拭きの範囲が広すぎて、終わってないようだった。
「あ、天草さん?こっちです」
すぐそこで、鈴木は仕事をしていた。
「はい、すぐ行きます」
「あーぁ、弟と一緒に遊園地で遊びたかったなぁ」
「鈴木さんって、弟がいるんですか?」
「えぇ。今日は一緒に遊ぶ予定だったんだけど、風邪引いちゃって。
看病も親に任せて、そっと抜け出してバイトしてるんです」
「なるほど、今日はお客が多いから臨時追加OKしてるんですね」
「・・・そういえば天草さん」
「・・・なんでしょうか」
「コレ、観覧車の一般チケットなんだけど・・・」
「ご自分で使えばいいじゃないですか」
「いや、天草さんなら使うんじゃないかって思ってね。
彼氏さん・・・いるんでしょう?使ってくださいよ☆」
「・・・いいです」
「いいのいいの、ほらもらったもらった!」
ムリヤリチケットを胸に押し込まれた。
「・・・ッ、ありがとうございます」
「別にいいのよっ、もうすぐ休憩時間でしょう?行ってきなさい!」
「・・・」
チケット、もらってしまった。
いいや、一人で乗ってしまおう。
行った先のホイール・オブ・フォーチュンでは、並んでいる客は少なかった。
「やっぱり雪が降らないせいなのね・・・・」
ゆっくりと足を踏み出し、観覧車の係員にチケットを差し出した。
「一人です、これ、お願いします」
そして、観覧車に乗った時、ふと体が軽くなった気がした。
「お・・・・おっと、フォーチュンシステムかぁ?」
「!?」
そう、目の前には・・・右代宮戦人・・・お兄ちゃんの姿があったのだ。
うみねこセブンとして動いているのとはまったく関係ない、普通のお兄ちゃんが・・・
目の前にいるというのだから、驚きを隠せなかった。
「ひょっとして君、一般チケットの人?あちゃー、バグかぁ」
手に持っていた一枚の半券を見て、すぐに一般だと分かったらしい。
「え、あ、あまり気にしてないので・・・」
「そっか、よかった。どこから来たんだ?」
なんだかさわやかな会話が続く。
この幸せはたぶんクリスマスの『奇跡』がくれたんだろうなぁ・・・。
「お、天草さん、見てみろよ!雪だぜ!」
「え・・・?」
頂上にもうすぐ着こうというとき、雪が降り始めたのだ。
ゆっくりと降り注ぐ粉雪が、遊園地内のアトラクションのライトアップに新たな彩を加えていく。
まさに幻想的な世界だった。
「・・・ありがとうございます、戦人さん」
「礼を言われるほどのことはしてねぇぜ?そもそも右代宮って名前出して驚かないほうがこちとらうれしいぜ」
「有名だから無理にリアクションされるのが嫌なんですね」
「あぁ、まったくだ」
ずっとこの観覧車が止まっていてほしい。
この時をずっと感じていたい。
本当の幸せを、勝ち取りにいきたい・・・。
そして、ゆっくりと観覧車は、降り口に着いた。
「いろいろありがとうございました、戦人さん」
「こちらこそだぜ、またいつか!」
「本当に・・・絶対会えますよ」
「え・・・」
「絶対に、会える。必ず!」
「そ、そうか・・・じゃあ!」
不思議な違和感を感じさせてしまったかもしれないが、まぁいい。
この聖夜の奇跡に、『ありがとう』。
後で鈴木にチケットのお礼を言わねばと思い、観覧車を後にした。
【裏パート】
「まったく、素直じゃないのね・・・」
「仕方ないですよ、スノウ卿」
バイトを終えた鈴木・・・いや、スノウベルと、弟の設定だったレオ=ティルは、上空で会話をしていた。
「あの演技正直恥ずかしかったのよッ!」
「まぁまぁ・・・」
「・・・雪を降らせるだけで人を幸せにできるなんて、ある意味素敵よね」
「そうですね、すべて善意でやってるわけですから」
そう、縁寿らが観覧車に乗っているときに降った雪はスノウベルの精霊魔法の力だった。
この世界にも光が必要だということを、感じることができたから。
せめて第一の光を与えた縁寿に、喜べるようなプレゼントを与えたかったのだ。
「ファントムにも魔女は増える一方、セブンはそれほど人はいないし」
「・・・僕たちも、行かなければ間に合いませんね」
「ええ・・・力を貸しましょう。この闇の支配に飲み込まれないように」
そして、ゆっくりと遊園地から遠ざかっていった。
いろいろ考えたルート↓
縁寿にハッピークリスマスを⇒戦人と会う方法は?⇒フォーチュンシステムのバグ⇒チケットは?⇒
スノウベルでも使うか⇒思えばファントム陣営多くね?⇒んじゃスノウベルはセブン側にこっそり
という結論でできてしまったのです。
鈴木さん=スノウベル。元々は「鈴木雪奈」という名づけをしてたのですが、さすがに無理でしたw
(微妙にmyオリキャラがいます、後に誰かは分かるかも)
まったく、せっかく未来世界からこっちに来たって言うのに・・・
夜、だいたい6時くらいだろうか。
今日はクリスマスなのに、雪が降らない。
ファントムの仕業じゃ・・・とは思ったものの、さすがにそれはないだろう。
クリスマスということもあり、今日は遊園地は延長営業。
雪が降らないせいか、それほど並んでいなかった。
「天草さーん、今手空いてる?」
今は九羽鳥庵でバイトをしている、天草の苗字を借りたうえで。
お金に困ってるわけじゃないが、とにかく何か予定で埋めていたかった。
「あ、はい、空いてます」
「それじゃ、鈴木さんのとこ手伝ってもらえる?」
「はい、分かりました」
鈴木・・・あまり聞かない名前。新人バイトだろうか。
どうやら窓拭きの範囲が広すぎて、終わってないようだった。
「あ、天草さん?こっちです」
すぐそこで、鈴木は仕事をしていた。
「はい、すぐ行きます」
「あーぁ、弟と一緒に遊園地で遊びたかったなぁ」
「鈴木さんって、弟がいるんですか?」
「えぇ。今日は一緒に遊ぶ予定だったんだけど、風邪引いちゃって。
看病も親に任せて、そっと抜け出してバイトしてるんです」
「なるほど、今日はお客が多いから臨時追加OKしてるんですね」
「・・・そういえば天草さん」
「・・・なんでしょうか」
「コレ、観覧車の一般チケットなんだけど・・・」
「ご自分で使えばいいじゃないですか」
「いや、天草さんなら使うんじゃないかって思ってね。
彼氏さん・・・いるんでしょう?使ってくださいよ☆」
「・・・いいです」
「いいのいいの、ほらもらったもらった!」
ムリヤリチケットを胸に押し込まれた。
「・・・ッ、ありがとうございます」
「別にいいのよっ、もうすぐ休憩時間でしょう?行ってきなさい!」
「・・・」
チケット、もらってしまった。
いいや、一人で乗ってしまおう。
行った先のホイール・オブ・フォーチュンでは、並んでいる客は少なかった。
「やっぱり雪が降らないせいなのね・・・・」
ゆっくりと足を踏み出し、観覧車の係員にチケットを差し出した。
「一人です、これ、お願いします」
そして、観覧車に乗った時、ふと体が軽くなった気がした。
「お・・・・おっと、フォーチュンシステムかぁ?」
「!?」
そう、目の前には・・・右代宮戦人・・・お兄ちゃんの姿があったのだ。
うみねこセブンとして動いているのとはまったく関係ない、普通のお兄ちゃんが・・・
目の前にいるというのだから、驚きを隠せなかった。
「ひょっとして君、一般チケットの人?あちゃー、バグかぁ」
手に持っていた一枚の半券を見て、すぐに一般だと分かったらしい。
「え、あ、あまり気にしてないので・・・」
「そっか、よかった。どこから来たんだ?」
なんだかさわやかな会話が続く。
この幸せはたぶんクリスマスの『奇跡』がくれたんだろうなぁ・・・。
「お、天草さん、見てみろよ!雪だぜ!」
「え・・・?」
頂上にもうすぐ着こうというとき、雪が降り始めたのだ。
ゆっくりと降り注ぐ粉雪が、遊園地内のアトラクションのライトアップに新たな彩を加えていく。
まさに幻想的な世界だった。
「・・・ありがとうございます、戦人さん」
「礼を言われるほどのことはしてねぇぜ?そもそも右代宮って名前出して驚かないほうがこちとらうれしいぜ」
「有名だから無理にリアクションされるのが嫌なんですね」
「あぁ、まったくだ」
ずっとこの観覧車が止まっていてほしい。
この時をずっと感じていたい。
本当の幸せを、勝ち取りにいきたい・・・。
そして、ゆっくりと観覧車は、降り口に着いた。
「いろいろありがとうございました、戦人さん」
「こちらこそだぜ、またいつか!」
「本当に・・・絶対会えますよ」
「え・・・」
「絶対に、会える。必ず!」
「そ、そうか・・・じゃあ!」
不思議な違和感を感じさせてしまったかもしれないが、まぁいい。
この聖夜の奇跡に、『ありがとう』。
後で鈴木にチケットのお礼を言わねばと思い、観覧車を後にした。
【裏パート】
「まったく、素直じゃないのね・・・」
「仕方ないですよ、スノウ卿」
バイトを終えた鈴木・・・いや、スノウベルと、弟の設定だったレオ=ティルは、上空で会話をしていた。
「あの演技正直恥ずかしかったのよッ!」
「まぁまぁ・・・」
「・・・雪を降らせるだけで人を幸せにできるなんて、ある意味素敵よね」
「そうですね、すべて善意でやってるわけですから」
そう、縁寿らが観覧車に乗っているときに降った雪はスノウベルの精霊魔法の力だった。
この世界にも光が必要だということを、感じることができたから。
せめて第一の光を与えた縁寿に、喜べるようなプレゼントを与えたかったのだ。
「ファントムにも魔女は増える一方、セブンはそれほど人はいないし」
「・・・僕たちも、行かなければ間に合いませんね」
「ええ・・・力を貸しましょう。この闇の支配に飲み込まれないように」
そして、ゆっくりと遊園地から遠ざかっていった。
いろいろ考えたルート↓
縁寿にハッピークリスマスを⇒戦人と会う方法は?⇒フォーチュンシステムのバグ⇒チケットは?⇒
スノウベルでも使うか⇒思えばファントム陣営多くね?⇒んじゃスノウベルはセブン側にこっそり
という結論でできてしまったのです。
鈴木さん=スノウベル。元々は「鈴木雪奈」という名づけをしてたのですが、さすがに無理でしたw