番外編 〜アトラクションピックアップシリーズ〜


「ハァ・・・久しぶりにゆっくり遊園地を回りたいぜ」
そのきっかけは朱志香との電話での一言だった。
「おう・・・俺もだ。なんだか戦ってばっかりでしんどいぜ」
「なぁ、せっかくだから縁寿も連れてさ、従兄弟みんなで行かないか?風邪治ったんだろ?」
「おー!そりゃいいぜ!怖くないアトラクションで頼むぜー☆」
「んじゃ思いっきり落としてやるよォ〜」
「らめぇええええええ!!落ちちゃらめぇええええええええええええええええええ!!!」
「フン、当日行けば分かることだぜ。とりあえず、この日に行くことにしよっか〜」
「おう、分かったぜ!んじゃな!」

ガチャン。

「久しぶりに縁寿も加えての遊園地めぐり・・・
 そういえばアトラクションも増えたって言ってたしな。ファンタジアのおかげなのか?」
「どうしたの〜おにいちゃん?」
縁寿が部屋に入ってきた。なんだか気になって・・・まさか電話聞いてたとか!?
「遊園地〜?あたしも行きたぁい!」
「もちろん、縁寿も連れて行くぜ。右代宮家の管理下だから乗り放題だぜ!」
「わーい!あたしもいっぱい乗る!乗るー!!」
縁寿の笑顔・・・可愛いなぁ・・・。
そんなわけで、俺たちは遊園地を遊びつくすことにした。


「うー!戦人と縁寿遅いー!うーうー!!」
「戦人君こっちだよ!」
「戦人ぁー!縁寿ぇー!早く早く!朝一パレード始まるぜー!」
「おーう!縁寿、行こうぜ!!」
「うん!あたしもパレード見たいー!」

俺たちは入り口で合流し、パレードを見にあわてて中央へ向かった。
「戦人に地図渡しておくぜ〜」
「うー!カラフルライトステッキ!うー!」
「あたしもほしいー!うー!」
通り過ぎる前のショッピングモールには、パレードグッズがたくさん並んでいた。
こんな可愛いもんあったら、真里亞も縁寿もつられて仕方ないか。
「うぉっし!二人分買ってやろうじゃねぇか!もちろん譲治兄貴の支払いで」
「だから前作のネタ引用してでも僕に払わせるのやめないかい?;」
とりあえず、譲治兄貴の金で真里亞と縁寿の・・・って、ん?
「キャァー!!これ可愛い!!魔女帽子買ってぇ譲治お兄ちゃぁん!」
「・・・朱志香・・・ぷッ」
「ちょ、笑うなぁあ!!」
「仕方ないね、皆平等に買ってあげないとね。」
「んじゃ俺はこのうみねこレッドのストラップで!」
「僕はグリーンのにしようかな。」
「真里亞はピンクー!」
「私はもちろん、イエローだぜ!」
「あたし・・・どうしよう・・・」
あー、実際縁寿は戦ってないからストラップもないか。
んっと、こういうときは・・・
「縁寿、レッドのはどうだ?かっこいいぜ!俺みたいに!」
「あたしそれにするー!おにいちゃんとおそろいー!」
「OK、それじゃぁまとめ買いするね。すみません、これお願いします」
「メェ〜(まいどあり〜)」


買い物を済ませると、外がにぎやかになっていた。
パレードが始まったようで、縁寿と真里亞が速攻で駆け出していた。

「おい!縁寿!真里亞!先行くなー!」
「うー!皆早くー!うーうーうー!!!」
「おぉ・・・こいつぁすげぇぜ・・・」
「うみねこセブンに、ドールズさくら。魔界のやつらもいるのか・・・
こりゃたまげた・・・かっこよすぎるぜ畜生!」

すばらしい演出とダンスの統一感、俺たちの役をしているセブンたちのそっくりさに
俺たちは驚き、そして大人気なく(?)パレードを楽しんだ。

「うーん!パレードだけで疲れちまいそうだぜー。」
「んじゃぁもっと疲れるところにつれていってやるぜ・・・?」
「・・・?」
朱志香が譲治兄貴に目で合図をした。
譲治兄貴は親指を立てて答える。
真里亞もそれを見てうーうー言い出した。
一体何なんだよ・・・?
悪寒がしてたまらねぇぜ・・・??

ピンポーン



「いやぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
 らめぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
 ええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!
 落ちるぅうううううううううううううううううううううううう!!!!!!!!!!!!」


「うー!落ちるー!落ちるー!うーうー!!」
「ひゃぁっほぉおおおおおおい!!!!!」
「これは思った以上にすごい迫力だねーーーーッッ!!!!」
「あたしもこわいよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」
戦人の悲鳴は遊園地全域に響き渡った。
その後微妙に縁寿の悲鳴がエリア内に響き渡っていたらしい。

「ひゃっははは!!!お前マジバカだろー!こりゃ伝説の悲鳴って呼ばれちまうぜ〜?」
「う・・・うっせぇ!!仕方ないだろマジダイブだなんて!!」
「先にガイド読まなかった戦人君が悪いよ☆」
「ちょ、譲治兄貴黒いってぇ!!!」
「うーうー!おちるー!おちるー!うーうーうー!!」
「真里亞はそれ言っちゃらめぇえええええええええええええ!!!」
「あたしもこわかったよぉ・・・おにいちゃん・・・ふぇえ・・・」
「大丈夫か縁寿?お兄ちゃんが付いてるからなー!いっひっひ!」
「・・・頼りないっての、正直。」






「ふぁあ〜・・・次どこ行く〜?」
「おーう、俺はどっか落ち着いたアトラクションに行きたい〜」
「どんなだよ戦人!そんなんだからモテねぇんだろ!!」
うわ、今のダメージ大きいっての朱志香。
心が痛む・・・くぅッ、お袋も自分の悪いところを息子に受け継ぐなって・・・
「うー!真里亞はあれ乗りたいー!」
「「ん?」」
俺と朱志香は揃って、真里亞の指差す方向に顔を向けた。
「・・・ウエスタンヒーローズだね、面白そう。」
譲治兄貴がアトラクション名を教えてくれた。この距離じゃ見えないしな。
「よっし、真里亞、競争しようぜ!戦人はペナルティ付きで縁寿を肩車!」
「って、おいマジかよ!まぁいいけど・・・縁寿、早く乗れ!!」
「僕はゆっくり行こうかな・・・皆元気だね;」
「んじゃぁ譲治兄さんは後から来ればいいぜ!」
「うー!よーいドン!」
「あっ、真里亞ずるいぞー!!」
というわけで、次のアトラクションまで俺たちは走っていった。

「ここかぁー・・・」
目の前に広がるのは、大きな荒地のような所。ところどころに木が立っていた。
オアシスのような部分もある。こんなところから敵が出てくるなんて・・・
「戦人ぁー!早く銃の種類選んでおけよー!」
「ん?銃なんて選べるのか?」
よくよく説明を読むと、『ライフル』『ショットガン』『二丁拳銃』から選べるようだ。
「銃なんて普段の戦闘で使いまくりだぜ!俺は二丁拳銃〜♪」
「戦人君、あまりそれは大きな声で言わない方が・・・」
「おぉっと!悪ぃ悪ぃ!いっひっひ!」
『普段の戦闘』だなんて・・・他のやつらに疑われちまうぜ。
とりあえず、中に入ることにした。
「爆弾発言はほどほどにな戦人。」
「おう・・・気をつけるぜ・・・w」
「広いな・・・どこから出て来るんだよ・・・敵・・・」
目の前には数台の馬車。だが動いている他の馬車が見当たらない。
ただ人気がないだけか、難易度が高すぎるのか。
「めぇ〜(こちらが説明書です〜)」
「おっ、サンキュー!えっと・・・ん!?」
説明書の表示を見る。
どうやら難易度は相当高く、難しいようだ。
家族向けのエリアにしては不思議だな・・・
「きっと家族で協力して敵を倒すイメージなんじゃないかな?」
「おー、さすが譲治兄さん!で、これはどうすればいいかな・・・」
もう一度表示を確認すると、小学生以下は保護者同伴必須のようだ。
「これ、4人まで乗れるもんね。僕が真里亞ちゃんと縁寿ちゃんを連れて行くよ。
 朱志香ちゃんと戦人君が2人で乗ればいいよね?」
「兄貴の指示で俺はかまわないぜ。行くぞ朱志香!」
「おー!行こ行こ!!」

「よっし、朱志香は向こう側を頼む!俺はこっち側だ、行くぜ!」
「おー!了解ッ!!」
朱志香と俺は思いっきりノリ気。はっちゃけてる。
「うー!真里亞も撃つー!!」
「あたしもー!あたしもー!」
「真里亞ちゃん!縁寿ちゃん!体を乗り出さないで!」
真里亞と縁寿を必死で止める譲治兄貴・・・大変そう。
でも、皆いい汗をかいて、気持ちよさそうだった。

「ふー、疲れたぜ!普段の戦闘よりも!」
「それ言っちゃらめえええええええ!!」
朱志香、それは禁句だろ・・・
俺も言われた身だからあれだけど。
その時・・・

ぐぅ〜×2

「うー・・・真里亞お腹すいたー」
「あたしもー・・・」
そして遅れて・・・

ぐぅ〜

「あっははは・・・僕もお腹すいちゃったね」
「兄貴ぃー!何腹の虫ならしてるんだよぉー!」
「うーん、あそこのレストランがなんか怪しいけど・・・
 この九羽鳥庵っていうレストランも気になるなぁー。
 真里亞だったらどっちに行きたい?」
「うー!真里亞はあそこのレストランー!うー!」
「真里亞はあのレストランに行きたいって言ってるけど、縁寿は?」
「あたしも真里亞お姉ちゃんといっしょでいいよ!」
「なら確定だな!俺はどっちにしろお子様系の方がすっきりするぜ!」
「まったく、戦人はいつまでたっても子供だなぁ・・・」
「そういう朱志香もじゃねぇのかよ?チチとかチチとかチチとかしか育ってないぜぇ?」
「てっめぇはぁあああ!!!こんのオッパイソムリエがッッ!!!!!」
「ガハァアアッッッ!!!!」
痛ってぇー・・・ちっくしょー朱志香め・・・!
こんなところまでメリケン所持かよ・・・
遊園地の入場の時に荷物チェックとかされるだろ!?
・・・あーそうか、裏口から入ったもんな・・・
右代宮家なら変なもの持ち込まないだろってことか・・・
「戦人、何をやっている。早く次へ行かぬか。」
「あー、すまねぇ。飯食ったらとっとと次行かないとあれだよな。」
「っと・・・とりあえず飯食いに行こうぜ!もちろん譲治兄貴の支払いで。」
「また僕!?;」
「うーうー!譲治お兄ちゃんのオカネー!うー!」
「真里亞お姉ちゃん待ってよぉー!」
「戦人ー!先行ってるぞー!」
「アッ、待ってよ皆ぁああ!!!」

「めぇ〜(いらっしゃいませー)」
「席は空いてるところに座ればいいか?少し混んでるな」
「お昼の時間帯だから仕方ないよ。皆頼むものを決めておいてね」
「うー!真里亞はおこさまセブンセット!!」
「あたしも真里亞お姉ちゃんといっしょなのがいい!!」
真里亞と縁寿が同時に限定メニューを指差す。
どうやらこのレストランは各エリアにあるらしく、エリアごとに名物料理があるらしい。
ここは一応右代宮家の管理下、「」内にあるから、セブン系のものなのだろう。
「ほー、お子様向けのやつかぁー。私らはどうしようか?」
「うーん、普通のセブンセットってないのかな?」
「あ、セブンセットあったぜ!
メインがステーキ、スモークサバ、天ぷら・・・から選べるみたいだな〜。
俺はもちろんステーキステーキ!!」
「あえて3人で一緒にしたらいいんじゃないかな?」
「私は賛成!ステーキでいいぜ!」
「真里亞がピンポン押すー!(ピンポーン)」(フラグのつもりじゃないのにw)
「めぇー(ご注文をどうぞー)」
(((((分からない・・・)))))

「おっ、キタキター!」
「うまそーじゃん!さっそくいっただっきまーす!」
「うーうー!真里亞も食べるー!」
っと、食べながら今回頼んだ料理もチェックしておくか。

・セブンセット ステーキ 1200円
高級黒毛和牛使用。安いしうまいぜ!
ステーキに赤いソースを(トマトケチャップではありません)かけていただく。
ポテトとアスパラガスが乗っていて、デザートに桃ゼリー。まさにセブンメンバーカラーの彩り。
祖父様のコアが残っている限り、後からおかずが増えるのだろう。
 
・おこさまセブンセット 700円
可愛らしいご飯盛りに、「うみねこセブン」と書いてある旗が刺さっている。
セブンセットステーキの小さいサイズ(ソースも同じ)、定番のフライドポテト。
子供向けに、アスパラガスの代わりはブロッコリーで、さくらんぼが乗った桃ゼリー。
プレートもセブン仕様。会計の時にうみねこセブン指人形が1つもらえるぜ!

そんな風に俺が脳内解説をしている間に、全員完食した。
「ごちそうさまでしたー!お兄ちゃん、セブン指人形どうしようかな?」
「レッドでももらっておけよー!いっひっひ!」
「真里亞はピンクー!うー!」
「んじゃ譲治兄貴頼んだぜー!皆とっとと次に行こうぜぇー!」
「あっ、戦人君ひどいよー!!」



〜続く〜
「やっぱりこのオチか・・・ったく戦人め・・・」


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